"I Love Japan" お互いを尊敬し合う国

 さて今回は、トルコ・チャナッカレ出身のセバル・ディリックさん に
インタビューさせていただきました。明るく陽気なセバルさんは
「日本に来て困ったことは?」という質問にも 「特にありません。
違うことが当たり前だと思っているので、全て受け入れます。」と
笑って答えてくれました。そんな前向きで寛大なセバルさんが
来日して感じたことの一端をご紹介させていただきます。
● セバル・ディリック さん ●
 トルコ・チャナッカレ出身 2010年10月に来日。
 現在岡山大学で 日本語とトルコ語の言語について
 研究をする傍ら、様々な文化活動に精力的に参加。
Q:来日した理由は?
 私は日本語に興味があり、トルコで5年間日本語を勉強していました。しかし、いくらトルコで
日本語を勉強しても限界があり、これ以上、上達できないと思い日本に留学を決めました。
一年間は交換留学生として来日しましたが、それだけでは勉強も中途半端になってしまったので、
自分の納得のいくまで勉強しようと思い、トル コの大学を卒業してから研究生として岡山大学に
入学しました。岡山大学を選んだ理由は、私の大学(チャナッカレ大学)と交流があったからです。

Q:来日前までの日本の印象は?
 『日本の住まいはハチの巣みたい』と大学の先生から聞いていました。来日するまでいまいち想像
できませんでしたが、実際住んでみて納得しました。日本人は自分に足りる大きさでいいという感覚
があるのでしょうか? 一部屋に必要な物が全て揃っていてすごいと思いました。逆にトルコに留学
していた日本人が私に『学生なのに何でこんな大きな家に住んでるの?家賃は高くないの?』
と驚いていました。私はなぜ驚いているのか理解できませんでしたが、日本に住んで日本人が驚く
理由がよく理解できました。

Q:日本人についてどう思いますか?
 日本人は相手に迷惑をかけないようにしようという気持ちが非常に強いと思います。
例えば時間を守ろうとするところやマナーを守ろうとするところです。
これは素晴らしいことだと思います。お互いを尊敬しているから こそできることではないでしょうか。
日本人と比べるとトルコ人は相手の事を考えるより自分を優先する人が多いと思います。
最近は世界でも経済などの問題で自分を守ろうとする人が多くなっているように思いますが、
そういった中でも日本人は相手を思いやる気持ちを持っていて、とても素晴らしいことだと思います。
しかし、自分も大切にした方がいいと思う時があります。日本語で『本音と建て前』という言葉が
ある様に、このバランスはとても難しいことですね。

Q:将来の夢は?
 一番近い夢は博士課程を卒業することです。
自分の満足できる内容でトルコに帰れたらベストですね。それからのことはいくら予定を立てても
実現できないこともありますし、変更することもあります。ですから今自分の目の前にある目標に
全力を尽くします。先を考えすぎて今の事に力が入らないこともあります。何よりストレスをためずに
健康で頑張りたいと思います。トルコの諺に『ある仕事が、急ぐことにより困難になるぐらいなら、
遅れた方が良い』という諺があります。マイペースで確実に進んでいく。自分を信じることです。
私の人生で信じて出来なかったことはありません。失敗も受け入れなければいけません。
『失敗は成功の母』です。いつか必ずうまくいきます。



掲載:2011/12/28

BACK