"I Love Japan" 細やかな心遣いの日本人

  さて今回は、セルビアから来日されたイェレナ・ニコリッチさんにインタビューさせていただきました。 私たち日本人には余り馴染みのない国ですが、セルビアでは反対に日本の事は良く知られていて、 日本の文化に興味を持っている人も多いと言います。セルビアにいた頃に持たれていた日本の印象と 実際に留学して感じた日本の印象の一端をご紹介させていただきます。
● イェレナ・ニコリッチ さん ●
 セルビア・レスコヴァッツ出身
2008年10月来日。岡山大学文学部で勉学に励む傍ら、セルビアの魅力を多くの方に知ってもらおうと国際貢献にも努力しています。
Q:来日のきっかけは?
 セルビアでは日本に対する印象がとても良く、関心がありました。セルビアで4年間日本語と日本文学を勉強しました。 その後1年間程、大学で初級日本語を教えていました。奨学金で来日できるようになり、今まで勉強してきた日本の文化や文学、 生活様式などを実際に体験する事ができ、すごく嬉しかったですね。

Q:来日してからの日本語はどうでしたか?
 セルビアでは「です。ます。ございます」という丁寧語で勉強していたので、来日当初、日本の若い人たちの 「マジで?」や「キモい」という言葉がわかりませんでした。 又コンビニなどで「○○円からお預かりします」というお店のマニュアル用語というのでしょうか、習ってきた文法と違い、全く意味がわかりませんでした。 余りにも丁寧な敬語で言われると、答えているのか、質問されているのか区別がつかず、思わず相手の方に「もっと簡単な日本語で言ってくれませんか」と言った事もありました。

Q:日本で生活して、何か感じたものがありますか?
 それは日本人の細やかな心遣いです。例えば、お年寄りに席を譲るとか。困っていれば親しい友達でなくても「手伝いましょうか?」と声をかけてくれたり、 道ですれ違う時でも、知らない人が会釈をするとか、いつもニコニコしているとか、すごく細かい事ですが親切だなぁと感じます。電車は時間通り到着し、 先生も遅れない。道がきれいに整備されている。公共施設はとても便利です。こういった日常生活、チームワーク、インフラなどに日本人の細やかな心遣いが 入っているように思います。

Q:セルビアと日本の国民性の違いを感じる事はありますか?
 常に相手の事を考えて行動する日本人の気遣いは、素晴らしいと思います。たとえ自分の意見があったとしても、相手の意見を尊重しながら、 みんなの為に一人一人が一生懸命努力しています。このチームワークは素晴らしいと思います。セルビア人だと、例えば10人中6人が同じ意見でも、 4人は「自分の方法が一番いいよ」と自分の意見を主張して、喧嘩になったりします。

Q:将来の夢は?
 紛争後のセルビアでは、日本政府に沢山の支援をしてもらい、多くの人が日本人に感謝の気持ちを持っています。市内を走るバスには 「Donation from the People of Japan」と日本からの寄付である事が書いてあります。また日本の文化、経済、製品などに関心を持っている人が多いです。 でも実際日本に来てみると、セルビアという国を聞いた事がない人がいる事に、ビックリしました。私が日本にいる間は、多くの人にセルビ アの魅力を知って もらいたいと思います。卒業後は、ヨーロッパにある日本の会社で働いて、架け橋となるような仕事をしたいです。もし無理だったら日本で活躍してみたいと思います。



掲載:2011/1/23

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