世界を変える、自分を変える、国際ボランティア
    私ができる一つ一つを積み重ねて
▲アフリカの北東部ジブチ共和国にある難民キャンプ場で、青年海外協力隊員として女性や若者への活動支援に取り組む平野愛美さん
 私の配属先は、難民支援をしているジブチのAPEF(家族保護協会)というNGO(非政府機関として国際的に活動する非営利組織)です。援助金の支払い業務、配給物資の管理と配給、難民キャ ンプ場での女性や若者への活動支援、又ソーシャルワーカーとして働いている現地の難民女性への支援活動を行っています。
■動き始めたプロジェクト
▲「お土産プロジェクト」のために、女性たちと裁縫に取り組む
 私に与えられた仕事は、女性の地位向上、収入向上のための商品 開発と販路開拓を行うことです。そのために現地の女性たちと『お土産プロジェクト』をスタートさせました。幸いなことにジブチに来ている日本の自衛隊から販売許可と多くの注文を受けました。早速難民キャンプの女性たちに説明し、洋裁の先生と一緒に指導しながら、作り方を覚えてもらいました。ジブチに来て私の洋裁技術はめきめき上がってきています!いい花嫁修業です。今現在、商品も全て完成し、このプロジェクトもひと段落しそうです。彼女たちが仕事としてこのプロジェクトに取り組み、その成果がしっかりと彼女たちの生活改善につながっていくことを願っています。今後も第二弾を検討中です。

■もう1つの活動
▲完成したお土産品。洋裁技術の向上と生活改善につながります
 私が取り組んでいる活動はもう一つあります。子ども向けの活動です。6月の難民の日に向けて子どもたちによるアラジンの劇を披露するというプロジェクトです。劇は現地のソマリ語で、テーマソ ングは英語で歌ってもらうことに決めました。初日は英語の読み方から一緒に練習をして、再度訪れると、一人の少年は、歌詞を丸暗記して発表してくれました。とてもうれしかったです。台詞の練習を始めた時、動きを少し付けて「こんな風にやってみて」というと、恥ずかしそうにやってくれました。そしたら周りの子どもからも笑いが起きて、終わったらみんなで拍手です。すごく楽しく、ちょっと先生になった気分がしました。本番まであと少ししか時間がありませんが、ぜひ成功させたいと思っています。

■誰かのために働けるということ
▲素直で明るい子どもたちとの活動は私の大きな楽しみの一つです
 キャンプ場での生活は、実際に問題もたくさん起き、プレッシャーもありますが、誰かのために働けるという目的が、私にエネルギーを与えてくれています。毎日様々な問題を抱えた難民が事務所を訪れています。私にできることは、ほんの少しです。けれども、私には難民支援という仕事を与えてもらったから、そこで私ができることを精一杯させてもらうことで、私は救われているのではないかと思います。今日も私は、私ができる一つずつを積み重ねていきたいと思います。
●平野愛美さんは青年海外協力隊員として2009年9月からアフリカのジブチという国に村落開発普及員として、現地の人々と生活を共にしながら、ボランティア活動に従事しています。派遣期間は2年間です。難しい局面と向き合うこともあるでしょう。連載で現地の様子を伝えてもらっています。日本の若者への元気メッセージにもなればと願っております。



掲載:2010/7/5

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