"I Love Japan" きれいな国「日本」に暮らして

 さて今回は、ネパールのトヌンから来日している山村リタさんにインタビューをさせていただきました。日本人のご主人と結婚して間もなく言葉も文化も生活習慣も違う日本での生活。2人のお子様にも恵まれ、現在は地域のボランティア活動や学校の保護者役員、時には親の悩み相談なども引き受け、地域にはなくてはならない存在となっているリタさんですが、今日に至るまでさまざまな戸惑いやご苦労もあったそうです。そんなリタさんのエピソードをご紹介していただきました。

● 山村リタ さん
● ネパール・トヌン出身
1992年初来日。現在専業主婦の傍ら、ボランティア活動を中心に地域で精力的に活動
Q:日本に来て一番の印象は?
 日本はとてもきれいな国だと思いました。特に印象に残っているのは道が家の前まできちんと舗装されて いたことです。また道端にゴミが落ちていないことにも感心しました。ネパールの道路はほとんどが土で、道によくゴミも落ちています。日本は本当にきれいで素晴らしい国だと思いました。また、日本の一般家庭に車が2台も3台もあるのには驚きました。ネパールでは大統領でも車を買えないこ ともあります。

Q:現在、日本でどんな活動をしていますか?
 子どもが幼稚園や小学校に通い始めたのがきっかけで、日本の友達や学校の先生からPTAの役員を勧められました。私は言葉の壁などで最初はお断りしましたが、それでも友達が後押しをしてくれました。一週 間くらい眠れなかったです。今思えば本当に友達の助けに感謝してます。お陰で日本人の色々な考え方や接し方を知ることができ、地域での顔も広くなりました。

Q:活動を通じてどんなことを感じましたか?
 校長先生から、日本人は直接言ってしまうと相手が傷つく為に「奥歯に物をはさんだ言い方」をするという ことを聞きましたが、私はそういう言い方には慣れていませんでしたので、はっきりと自分の意見を述べました。かえってそれが良かったと思います。日本人同士では言いにくいことも、私が言うと、言葉と文化の違いから、聞いて貰えました。だから保護者の間でも、悩みを抱えている子どものお母さんから相談を受けたり、私が声をかけたりして、学校の先生との良いつなぎ役になりました。「人を傷つけない為に、心の中で我慢する。他人にはそれを見せない」という日本人の考え方、それも良いと思いますが、全てそれではいけないようにも思います。

Q:今後何をしたいですか?
 学校やPTAでは「知らない人にはついて行かないように」と指導していますので、子どもたちは何でもそういう目で人を見てしまいます。「知らないおじさんから声を掛けられた」と言われ、調べて見たら、実は近所のおじさんだったということが実際にありました。信頼関係が薄らいで来ているように思います。又今の子どもたちは自分の子どもも含めて物の大切さが分からない、給食でも残して当たり前と思っている子が多いです。私は人との交わりを大切にしながら、子どもたちにもネパールの話を聞かせてあげるなど、ボランティア活動に取り組んでいきたいと思っています。



掲載:2010/4/1

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