海外からこんにちは
 世界を変える、自分を変える、国際ボランティア
 初めまして。平野愛美と申します。アフリカ青年海外協力隊として2009年9月からアフリカのジブチという国に村落開発普及員として派遣されています。ジブチに着任して半年近くが経ちましたが、私の体験やジブチについて紹介できたらと思います。
■ チャレンジしない人生はもったいない
 青年海外協力隊に参加しようと考えたのは、今からもう10年ほど前です。高校生の時の留学やボランティアの経験から国際協力に関心をもつようになり、実際に発展途上国といわれるところで生活をしてみたいとずっと思っていました。当時は大学を卒業したら行こうと考えましたが、実際は、様々な事情で卒業後は一般企業で4年間仕事をしました。社会人として日々を過ごす中で、『できるのにチャレンジしない人生はもったいない』と考え、心機一転、青年海外協力隊への応募を決めました。

■ 私の与えられた仕事
 私が与えられた仕事は、ジブチにある難民の支援をしているNGOの要請による村落開発でした。主なミッションは、難民キャンプにある女性グループの収入向上や女性の地位向上。具体的には、商品開発や販路開拓をして難民女性の収入を拡大させるというのが主な内容でした。何の背景知識もなく、とりあえず行ってみないと何ができるかわからないという状況でしたので、不安もありましたが、同時に『今まで想ってきた夢にチャレンジできる、とにかく精一杯やってみよう。国を変えることはできないけど、少しでも誰かの役に立つ ことが見つけられるかもしれない』という期待をもってジブチに降り立ちました。そして、現在日々奮闘中というわけです。

■ジブチと日本の大きな違い
▲街で良く見かけるロバ。産業がないジブチでは、ロバはまだまだ貴重な運搬手段です。
 ジブチと日本の社会の違いはとてもたくさんありますが、今回は食文化の違いについて書きたいと思います。最も大きな違いはその食べ方にあります。多くの場合、皆で食事を囲むように床に座り、左手は使わず、右手を使って手づかみで食べます。パンやごはんはもちろんパスタも上手に手の先をスプーンのようにして口に運びます。これがなかなか難しいです。また、男性と女性は基本的には別々に食べます。男性グループが食べた後、次に女性グループが食べます。又家での食事は一人で取ることは宗教上だめとされている そうで、もしも一人でいた際は、知り合いを呼んできて、ひとつのお皿を分け合って一緒に食事をします。

■助け合いの文化
 ジブチでは大家族がほとんどですが、ご近所さんや親戚との関わりも強く、分け合う、助け合うという文化が定着しているのを感じることができます。それだからか、ジブチ人はとても人懐っこく、親切な人が大変多いです。『助け合い、分け合いの精神』は日本の現代社会では、だんだんと薄れてきている部分かもしれませんね。

■ラマダンを体験したい
  イスラム教では、年に一度はラマダンといわれる断食の時期があり、日中は食事も水も一切口にしません。そんな一見大変そうなラマダンを楽しみだと語るジブチ人は意外に多いので、私もどこまでできるか試してみたいと思います。今年の夏に初めてラマダンを経験するので、様子をご報告できればと思います。夏の足音が聞こえ始めたジブチより。
青年海外協力隊とは
 青年海外協力隊とは政府が支援する海外ボランティア派遣制度です。世界約80カ国、3万人以上の20~39歳までの青年が現地の人々と生活、労働を共にしながら、相手国の国づくり、人づくりに協力し、又これら諸国との親善と相互理解を深める為に活動をしています。派遣期間は2年です。

【ジブチ共和国の概要】
 アフリカの北東部人口約85万人、大きさは四国の約1.2倍、国民のほとんどはイスラム教徒という小さな国です。最近では日本の海上自衛隊の海賊退治の派遣基地として知られています。国土の大半は沙漠か半砂漠で、夏の気温は50度を超えることもあります。周辺諸国からの難民・避難民を受入れているため、経済的にも厳しく、多くの支援を必要としています。
●今回ここに紹介させていただいた平野愛美さんはICFAの支援者で、現在青年海外協力隊として、ジブチという日本ではほとんど知られていない途上国へ一人で赴き、頑張っています。難しい局面と向き合うこともあるでしょう。日本の若者への元気メッセージにもなればと願っております。よろしくお願いします。



掲載:2010/4/01

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